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北欧通信

Scandinavian chair's show
今までに、世界中でいったい何脚の椅子が作られたのでしょう。
欧米の人々にとって、椅子は"人"と最も馴染み深い家具。
日常的に使用するものだからこそ、人は椅子に高い品質を求めます。
北欧製の椅子は、1950年代に偉大なデザイナーが次々と登場し、
その機能性と、個性的でシンプルなデザインが、
強いインパクトを持って世界中に受け入れられ、広まっていきました。
現在でもその人気は廃れず、当時のものも含めて広く、深く人々に愛されています。
その中から、代表的な3人の巨匠と、長い年月を経ても色あせない名作をご紹介します。
Great Master's Profile
デンマークの首都コペンハーゲン生まれ。
王立美術学院を卒業後、29年に「未来の家」のデザインコンペで受賞し、脚光を集めます。初期は木を素材に古典作品をリデザインし、「ダイニングチェア」などを発表。その後フリッツ・ハンセン社と仕事を開始します。成型合板などの新素材や、新手法に果敢に挑戦し、数々の名作を生み出しました。建築家として国内外の公共建築を多く手がけ、「エッグチェア」「スワンチェア」「アントチェア」をはじめ、イスや家具、カトラリー、ファブリックなど、一つの建築物の内装やパーツまでを含めてデザイン。
その集大成がSASロイヤルホテルです。
例えば、「スワンチェア」は、人の出入りが多く、落ち着いた雰囲気を演出できなかったSASロイヤルホテルの玄関付近のために制作したもの。身体がうまく収まるよう、背もたれを高くし、包み込むようなデザインにすることで、人々に安心感を与えています。北欧モダンデザインを代表する建築家であり、デザイナーです。
北欧が生んだ近代建築の巨匠。
フィンランド中西部のクオルタネ生まれ。
ヘルシンキ工科大学卒業後独立し、24年に同じく建築家のアイノと結婚。パイミオのサナトリウム(結核療養所)の設計を手がけ、成功したことで、瞬く間に建築家としての地位を確立します。そのデザインの特徴は機能性を重視しながらも、人間への優しさを表現し、実現したこと。"人"を中心とした設計にこだわっています。同時にこの仕事がきっかけで、本格的な家具デザインを開始。特に、サナトリウム用に作られたアームチェアは、成型合板を使った斬新な座面づくりから「材料革命」と評され、家具デザイナーとしても彼の名を一躍有名にしました。35年、自作家具を製造販売するため、妻アイノらとともに、アルテック社を設立。50年代に入ると、モダン建築にフィンランドの風土や伝統的建築表現を活かし、赤レンガを多用した作品を多数手掛けます。また、ガラス工芸品のデザインでも多数の傑作を残しています。
デンマーク、ユトランド半島トゥナー生まれ。
父親は、町議会議員で、靴職人。そして彼にとっては、職人技術を教わった師匠でもあります。木への愛着が強かった彼は、1931年に家具職人のプロライセンスを取得。家具製造家の道を歩み始めます。彼のものづくりの特徴は、自身の作品を妥協なく、繰り返しリデザインすること。多種多様なものから受けたインスピレーションを起点にリデザインすることで、芸術の域へ高めていきます。その典型的な例が「チャイニーズチェア」。明の時代の中国で作られたイス、「クワン・イ」から着想を得て、試行錯誤に6年を費やして完成させます。また、「品質を落とさない限り、できる限り機械を使う」という考えのもと、機械を積極的に使いこなし、クライアントの要望に応えています。職人でもあることから、技術や素材に対しても造詣が深く、機能的かつ芸術的なイスを次々に生み出してきました。
その数は500種類以上。多くの美術館で永久保存されるなど、高い評価を得ています。
(1)スワンチェア
(2)アルネ・ヤコブセン
(3)デンマーク
(4)1956年
(5)SASロイヤルホテルのロビー用にデザイン。文字通り、白鳥の優美さをモチーフとしています。
(1)エッグチェア
(2)アルネ・ヤコブセン
(3)デンマーク
(4)1958年
(5)SASロイヤルホテルのためにデザイン。身体を包み込む形状からこの名がつきました。
(1)コロナチェア
(2)ポール・M・ヴォルダー
(3)デンマーク
(4)1962年
(5)日食のコマ撮り写真をモチーフにしたユニークなデザイン。斬新なフォルムながら、包み込むような座り心地は抜群です。

(1)ザ・チェア
(2)ハンス・J・ウェグナー
(3)デンマーク
(4)1949年
(5)背もたれから肘掛に至る曲線を支える美しい接合部、「フィンガージョイント」が特徴。また、鉋を使わずにヤスリで磨き上げる独特の「サンディング」仕上げによって、有機的な曲線を生み出しています。
(1)Yチェア
(2)ハンス・J・ウェグナー
(3)デンマーク
(4)1949年
(5)優れたデザイン性と、マスプロダクトの経済性を兼ね備えた逸品。世界中で70万脚以上を売り上げ、今も根強い人気。名前の由来である背もたれのY字部分は、組み立てやすくする工夫も兼ねています。
(1)トリニダードチェア
(2)ナナ・ディッツェル
(3)デンマーク
(4) 1993年
(5)インスピレーションの源は、カリブ諸島最南端トリニダート島の伝統的な糸細工。背と座の部分が優雅なシルエットを作り上げています。

(1)パイミオチェア
(2)アルヴァ・アアルト
(3)フィンランド
(4)1931年
(5)サナトリウム(結核療養所)のためにデザイン。成型合板を使った斬新な座面でアアルトの存在を一躍有名にしました。
(1)E60スツール
(2)アルヴァ・アアルト
(3)フィンランド
(4)1933年
(5)アアルトがフィンランド・ヴィープリ市立図書館のために作ったシンプルなスツール。座面はバーチ材のほか、ファブリックや合皮などもあります。スタッキング可能なスツールとしても有名です。
(1)キャンパスチェア
(2)ヨハネス・フォーサム&ピーター・ヨルト・ローレンツェン
(3)スウェーデン
(4)1991年
(5)シート部分が波打つようなデザイン。公共施設や学校などで広く使われています。同タイプのアームチュアもあります。

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