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18世紀ごろから、陶器、ガラス器の製造、そして工芸が盛んだった北欧諸国。その流れを受けてデザインに独自性が生まれてきた時期が、1920~30年代です。 機能主義(※1)とバウハウス(※2)の影響を受けつつ、職人の技術を軸にモダンデザインが開花するのです。 そのデザインが世界に広がったきっかけが、この時期に開かれた各展覧会。1925年開催のパリ工芸展に始まり、1930年代に開かれた3つの世界博覧会(33年 シカゴ、37年 パリ、39年 ニューヨーク)に北欧諸国が続々と出展。その独特のデザインが、世界の人々に新鮮な印象と驚 きを与え、各国で評判になったのです。
(※1)機能主義...装飾性よりも、機能性を重視する考え方。 (※2)バウハウス...1919年、ドイツのワイマール市に開校された造形芸術学校。建築物を舞台に、彫刻・絵画・工芸などの諸芸術と職人的手工芸を結集して芸術と技術の再統一を図った。 | |
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スカンジナビアンデザインが広く世界で人気を博すのが1950~60年代。戦後という時代状況から、外貨を獲得する必要性が生じ、アメリカが最大の顧客となります。効率最優先の工業製品に馴染んでいたアメリカ人にとって、スカンジナビア発の、人に優しく設計されたハンディクラフトは衝撃を与え、一大ブームとなります。ちなみに、日本で初めて北欧家具が発売されたのもこの時期です。 また、50年代はデザインの本場イタリアで開催されていた展覧会、ミラノ・トリエンナーレでスカンジナビアンデザインが頻繁に賞を受賞しています。 ヤコブセンの「アント」をはじめとした各チェア。そしてマリメッコと、今に続く有名製品、ブランドが生み出され、北欧デザインが広世界で使用され始めます。 | |
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| 70年代、スカンジナビアンデザインはやや停滞しますが、製品群の幅が更に広がっていきます。70年代には、インダストリアルデザインが各国に進出。特に80年代には、スウェーデンを中心に各メーカーの動きが活発になります。今や世界最大の家電メーカーであるエレクトロラックスや、ボルボ、サーブといった自動車メーカー、そして、ノキア、エリクソンといった通信機器メーカーです。欧米や日本の製品との違いが目立つこれらの製品。その特長は、安全性を重視した設計と、斬新ながら端正なデザインです。人への優しさを最優先し、福祉に手厚い国家を作り上げた北欧諸国。その哲学がものづくりにも反映され、他国の製品との差別化を生み出したといえるでしょう。 | |
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| 90年代に入ると、スカンジナビアンデザインに次々と新しい風が吹き始めます。フィンランドのデザインユニット、スノークラッシュがSF志向の斬新なコンセプトを家具に導入。家具の見本市、ミラノサローネで評判になります。他にも、スウェーデンのトーマス・サンデル、トーマス・エリクソン、フィンランドのステファン・リンドフォルスら、ヤコブセンの孫世代にあたる若手デザイナーが台頭。一見奇抜に感じるほどの斬新なアイデアで、機能的な製品を創り出します。彼らは、伝統的なスカンジナビアンデザインに、新たなコンセプトを加えて昇華させることにより、国際的な注目を浴びていきます。 | |
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建築、家具、陶磁器などを中心に広く普及したスカンジナビアンデザイン。2002年は、巨匠ヤコブセンの生誕100周年ということもあり、各国で回顧展が開かれるなど、「懐かしくも新しい」そのデザインが改めて見直されました。 一方、日本では北欧人気に新たな傾向がうかがえます。ファニチュアを中心に「モノ」寄りだった北欧ブーム。しかし、最近ではパペットアニメーション化によるムーミン人気の復活や、リンドベリ(スウェーデンの人気デザイナー)作画の絵本が翻訳出版されるなど、「モノ」以外の文化や暮らしに注目が集まってきています。 自然を愛し、人を大切に、悠然と暮らす。北欧のライフスタイルは、元々日本人が大切にしていたもの。しかし、今の日本人が少し忘れかけているものなのかもしれません。そこから感じる「懐かしさ」に心惹かれ、流行に流されずに独自性を守る姿勢が私達に何かを気づかせてくれる。スカンジナビアンデザインは、きっと日本の日常生活に馴染みやすいもの。遠くて実は近い国、スカンジナビアのデザイン、そしてライフスタイルは、あなたの心を豊かにするはずです。 | |
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